母方の祖母が亡くなって、半年がたつ。
ぼくの祖父母は、
父方の祖父:ぼくが生まれる前に亡くなっていた
母方の祖父:十数年前に亡くなった。
(ちなみに亡くなったのは、ぼくが大学の卒業旅行で海外に行っている最中で、親族は「せっかくの卒業旅行だから心配させるのもなんだな」ってことで、ぼくが帰国した時には葬儀がすでに終わっていた)
父方の祖母:数年前に亡くなった。
ということで、母方の祖母が一番最後まで残っていた祖父母だ。
ぼくはあんまり家族といい関係を築けている方ではなく、親族からも色眼鏡で見られているところがあるのだが、この母方の祖母はあーだこーだと言わずにいつもぼくを気に掛けてくれていたので、印象深い人物でもある。
その祖母の葬儀がぼくにはとても印象的だ。
葬儀そのもの、というより、久しぶりに親族が集まって感じた、気づいたことが印象的だった。
葬儀の際に、祖母が残していたアルバムが飾ってあって、いろいろ話のタネになったのだが、(母方の)祖父の若い頃の写真が非常にぼくに似ていた。
ぼくは小さい頃、父に似ているといつも言われていたものだが、アラフォーになって、母方の祖父にそっくりなのが、不思議だった。
あと、親族が集まると大抵話に登るのだけれど、うちの従弟と伯父が学生のころまったく同じような失敗をした、とか、
それと普段は別に酒乱ではないのだけど、↑とは別の従弟が、そのまた従弟と会うとなぜかいつも話が盛り上がって二人ともぐでんぐでんになるまでよっぱらってしまうとか(こうなるのは二人が会って呑むときだけらしい)とか。
なんというか、血筋なんだなあ、と思った。
祖父母がいて、そのまた祖父母がいて、さらにそのまた、そのそのまた先祖がいて、途切れずにつながってきて、今、ここに親族がいる。
当たり前のことではあるけれど、なぜかあの時「ああ、そうなんだ。これが系譜なんだ」と、そう思った。
別にうちは由緒正しい血筋でもなんでもないので、渡す側も受ける側も「引き継ぐ」なんて仰々しいものでもなく、ほれっ、とぽんと受け渡される感覚ではあるけれど、ぼくにもそれが渡されている。
これまで何代も何代も続いてきた系譜をぼくも持っている。
この系譜をぼくはどうしていくのだろう。
何を積み重ねてきて、ぼくは何を加えるのか。
誰に、どう渡すのか。
それを今も、これからも考えていく。