ぼくは今、首都圏に住んでいる。
近くの駅は再開発が進んで、高層マンションがどんどん建って、沿線は行きも帰りも大混雑。
受け取る器がないくらいに人が溢れる。
ぼくの故郷は関東圏ではあるけれど、都心から一時間以上離れた元城下町。
数十年前はだいぶ栄えていて、人もたくさんいたけれど、つい最近駅ビルからほとんど店がなくなった。
実家のある町内は人がいなくてお祭りも今年からできなくなったとか。
かたや、家畜でも詰め込まれることのないすし詰めのスペースに押し込まれるほどの人。
かたや、帰るたびに寂れ、ここに人がどれだけいるのかと思わせるほど衰退する街。
毎日毎日人ごみにもまれ、ぼくじゃなくてもそもそもやらなくても特段困ったりはしない仕事を都会でしているより、故郷のために自分の力を注ぐべきなんじゃないか、と思ったりする。
まあ、もちろん実行をするわけでもないし、ぼくが何かしたところで解決するようなことではないと思う。
この今の両極端が加速しているこの世界でどう生きて行こうか、というのはこのところいつも考えてしまう。